プラモと一緒に自衛隊装備品に付いて学ぶシリーズです
今回は、陸上自衛隊の軽装甲機動車(LAV)
実際の写真やプラモ写真を使いながら学んでいきましょう
軽装甲機動車とは

軽装甲機動車(Light Armored Vehicle)
通称:LAV
陸自で広く使われている4×4の装輪装甲車
普通科(歩兵)や偵察部隊の“足”として動くための車両
早く走れて、守れて、どこへでも行ける車両
全長約4.4m
全幅2.0m
重量は4.5t前後
乗員は4名
最高速度は100km/h級
普通の道路も高速も走れる機動性が売りで、災害派遣の映像でも見かけることが多い
なぜLAVなのか

1990年代、陸自は装甲されていない一般車ベース(1/2tトラックなど)で任務に向かう状況が問題になっていた
治安維持、後方支援、国際任務などで“最低限の防護力”を持つ装甲車両が必要だった
そこで登場したのがLAV
“戦車ほど重くない”
“トラックより安全”
“どこへでも行ける”
というちょうど良いバランス
まさに“守られたジープ”というポジションだった
基になった車体

LAVはコマツ(小松製作所)が開発した国産装輪装甲車
ただし完全なゼロからではなく、海外のいくつかの装甲車の影響を受けている
特に似ていると言われるのは
・フランスの Panhard VBL
・イタリアの Iveco 4×4 装甲車
このあたりの“軽量・高速・装輪”という思想を踏まえつつ、日本の道路事情や空輸条件を意識して作られている
LAVの“意外と小柄でスマート”な形は、この流れを汲んでいる部分が大きい
車体と装甲の特徴

車体は鋼板で構成されていて、小火器や破片から乗員を守るレベルの装甲を持つ
外観は背が高い四角いシルエット
前に運転席と助手席
後ろに二名分の座席
後部ハッチから乗り降りする形になっている

天井にはハッチがあり、ここに機関銃を載せて使える
実際の任務でも、5.56mm機関銃(MINIMI)を載せて行動することが多い
エンジンと機動力

エンジンは4気筒ディーゼル
160馬力クラスの出力で、舗装路なら100km/h近くまで加速できる
4×4で最低地上高も高い
多少の未舗装路なら問題なく走れる
“戦車では行けないが、普通車でも厳しい場所”
この中間を埋める車両で、まさに陸自の実務向きの足と言える
配備と役割

LAVは全国の普通科連隊、即応機動連隊、偵察隊、警備部隊などに広く分布している
主な役割は
・偵察
・巡回
・要人警護
・連絡
・後方地域の安全確保
・災害派遣での走行支援
用途が広く“何でも屋”と言われる
用途の幅広さは陸自の装輪戦闘車両の中でもトップクラス
迷彩と外観の特徴

陸自独特の濃緑×茶の二色迷彩
車体は角ばっているが、装甲車にしてはコンパクト
この“軽くて速い”感じがLAVのキャラクターになっている

プラモ写真でも、迷彩とタイヤの太さで雰囲気が一気に出る
実車もまさにこのイメージ通り
LAVの面白いところ

戦車のように重装甲ではない
16式のように強い武装があるわけでもない
けれど
“部隊が真っ先に動くための車”として欠かせない存在
災害派遣、治安維持、国際活動、演習
どんな場所でも姿を見るのは、この車がとにかく扱いやすく、展開しやすいから
陸自の“縁の下の力持ち”
そういうポジションの装備だと思う
まとめ
軽装甲機動車(LAV)
派手さは無いけれど、日本の防衛・治安・災害対応で最前線に立つ車両
任務遂行には欠かせない車両だ
こうやって調べると色々と分かり、見る角度も変わってくるから面白い
