陸上自衛隊の新世代主力装備
16式機動戦闘車を私が作ったプラモ写真や、実写真と共に詳しく見ていく
16式機動戦闘車とは
誕生の背景

2016年に正式採用された装輪式の戦闘車両
従来のキャタピラ式戦車では難しかった高速展開を可能にするため、陸自が新たに開発した“走る戦車”と呼ばれる存在
島嶼防衛や機動展開を重視した新しい時代の装備として登場した
車体と構造の特徴

8輪駆動の装輪式
舗装路や一般道路を自走できるため輸送車を使わず移動が可能

最高速度は約100km/h
全長8.4m
全幅2.98m
重量約26t
エンジンは直列4気筒ターボディーゼル約570ps
出力重量比は約21.9ps/tで加速に優れる
迷彩塗装は濃緑、茶色や黒の3色系が主流

ホイールは車体とは異なる単色で塗られ、整備性と識別性を両立している
プラモデルではこの色差を再現するとリアルさが際立つ
火力と電子装備

主砲は52口径105mmライフル砲

同軸に7.62mm機関銃、車長席上部に12.7mm重機関銃を搭載
10式戦車の120mm滑腔砲よりはやや口径が小さいが
軽量化と機動性を優先する設計思想に基づく
照準装置には熱線映像装置(サーマルサイト)を備え
昼夜を問わず高精度な射撃が可能
10式戦車との比較
10式戦車は火力と防御力に優れるが、履帯(キャタピラ)のため、移動には制限が多い
ただし、10式戦車は16式に比べ、頑丈さや火力が大きい

16式は道路を自走できるため、国内の道路・高速網を使って現地展開できる
そのため、車両を軽量にする分、防御力や火力は幾分落ちる設計となる
つまり16式は“行動範囲の広さ”、10式は“戦闘力の強さ”に特化している
現在の配備と任務

主に即応機動連隊や機動戦闘車中隊に配備
島嶼防衛・沿岸地域の防御・展開支援を担っている
陸自の中でも特に「迅速対応部隊」に重視され
災害時の交通網確保や警備任務にも応用が検討されている
総火演や駐屯地祭では、毎年登場する人気装備のひとつ
特有の機能と今後の展開

・ 通常道路・高速道路を走行できる汎用性
・ C-2輸送機や輸送艦での展開を想定した設計
・ 電子照準・火器管制の高度化
将来的には24式装輪装甲戦闘車などの新型車両へ技術が継承され
陸自の“次世代装輪戦闘車ファミリー”の基礎となる見込み
まとめ

16式機動戦闘車は、戦車の火力と装輪車の機動力を融合させた装備
舗装路・高速道路を走れる利便性と、即応性を両立する実戦的な車両
戦車より軽く、早く、そしてどこへでも行ける
現代の防衛戦略に適応した、日本の新しい主力機動車両である
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