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まずは庭から始めました

夜の爺さん

投稿日:2024/12/8 更新日:

 

12月某日(平日)の20:00

残業を終えアドレスに乗って帰路につく

 

会社は岡崎市郊外の山に入る手前

平日の夜道は人も車もそれほど見当たらない

 

丁字路の一時停止の為、スピードを緩める

 

ん!?

道の真ん中で、お爺さんが止まってと言う感じで、手を振っている

遠目でも分かる腰の曲がった爺さん

 

イメージ図

 

杖こそ持っていなかったが、こんな感じのお爺

85歳くらいか?

 

なんか嫌だ

 

夜に見るお爺は何か嫌

嫌と言うか怖い

何だ!?

 

こちらは一時停止なので、スピードを緩めざるを得ない

 

「どうしたん?」

 

優しく声をかける

優しくしたのは怖かったからw

 

何が起こるか分からない世の中

 

急に鎌を持ち出して切りつけられるかもしれない

カツアゲされるかもしれない

生意気なコルク半被ってるなと因縁付けられるかもしれない(私は普通の半ヘル)

 

直ぐにでも逃げられる態勢での質問

同時に、お爺の顔を観察する

 

ラリっているような目だったら逃げよう

澄んだ瞳だったら安心なのだが、お爺なのでもう既に瞳はくすんでいたw

 

「岡崎にはどっちに行ったらいいかいの?」

お爺の質問だった

 

一瞬理解が出来ず

 

いやもう、ここは岡崎市だし・・・

郊外だけど、だいぶ前に岡崎市になっている場所だし・・・

 

遠くにハザードを点け路駐している軽トラがあった

ナンバーは読み取れず

 

ただの道迷いで、道を尋ねられただけ

 

だが、岡崎市内で岡崎市の場所を尋ねられた

ちょっとパニックであるw

 

昼間にこのお爺に出会っていたら「どこまで行くの?」とか聞ける余裕はあったと思う

夜のお爺に恐怖を感じていたので、そんな余裕なしw

 

ガチで怖いのである

 

お爺はジャケットを羽織り、ちょっと余所行きの服を着ていた

旅行先で見かけるようなベーシックな旅行スタイル

 

「えっと・・ この道を真っすぐ行けば岡崎です」

 

後から考えるとなんという回答であろうか

岡崎市に居ながら、普通に岡崎市を案内しているのであーるw

 

「えっと、このまま真っすぐ行けば岡崎城の方だから」

 

岡崎市の中心が市役所だとしたら、市役所の近くに岡崎城があるのだから、私の回答は間違いではないはず

 

「あい分かった」

 

お爺はそう返事をすると、車へ戻って行った

 

ん!?

20時に岡崎城を案内している私ってどうなの?

旅行してそうスタイルに完全に引っ張られたw

 

再び走り出し、やっとホッとしたので運転しながら色々考えていた

 

桜祭りの季節じゃあるまいし、岡崎城を案内してどうする私

せめて「市民病院に行きたい」とか言ってくれれば教えられたのに

 

20時の人気のない道で遭遇するお爺

かなり怖いものがありました

 

無事に目的地に着けたのだろうか?

 

ぶ村



ぶ村



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